(無機化学)
経歴
1983年 | 早稲田大学理工学部応用化学科卒 |
1988年 | 早稲田大学大学院博士後期課程修了(工学博士) |
1987年 | 早稲田大学助手 |
1989〜90年 | 米国MIT博士研究員 |
1990年 | 早稲田大学専任講師 |
1992年 | 同学助教授 |
1998年 | 仏国Montpellier第二大学訪問研究員 |
2000年 | 早稲田大学教授 |
研究(学会)活動 日本化学会理事,粉体粉末冶金協会理事,日本ゾル-ゲル学会評議員.
受賞歴 平成元年度日本粘土学会奨励賞,平成3年度日本セラミックス協会賞進歩賞.
連絡先
〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1 65号館406 |
Tel: 03-5286-3204 |
Fax: 03-5286-3204 |
E-mail: ys6546 |
URL: http://www.f.waseda.jp/ys6546/japanese/top.html |
キーワード
無機-有機ハイブリッド材料 / セラミックス材料 / ケミカルプロセス / 層状化合物 / 表面修飾 / ゾル−ゲル法 / プレセラミック
研究内容
私たちは,新材料として大きな可能性を持っている無機−有機ハイブリッド材料を中心に機能性セラミック材料も含めて,様々な材料をケミカルプロセスによって合成している.
層状物質を用いた無機-有機ハイブリッドの合成
層状物質の層間に有機分子や高分子を取り込むことにより,規則構造を持つ様々な無機−有機ハイブリッド材料を合成することができる.私たちはイオン交換性層状ペロブスカイトを用い,無機-有機ハイブリッド材料の合成手法を開発している.特にアルコールなどを用いたグラフト反応による層表面修飾よる共有結合型無機−有機ハイブリッドの合成やナノシート分散型有機−無機ハイブリッドの合成について検討を行なっている.
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ソフト化学的手法による層状固体酸の合成
ソフト化学("chimie
douce")的手法は,固相反応では得られない構造を作り出す技術として注目されている.イオン交換性ペロブスカイトは誘電性や光触媒活性など興味深い性質を示す化合物であるが,限られた組成しか報告されていない.私たちは,Aurivillius相(Bi2An-1BnO3n+3)がイオン交換性層状ペロブスカイトと類似構造を持つことに着目し,酸化ビスマスシートの選択的溶出により新しい組成のH型層状ペロブスカイトを合成している.さらに,同様の手法により新しい層状タングステン酸を合成することにも成功している.また,これらの反応により得られた生成物の光触媒特性などの物性も評価している.
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無機及び有機金属化合物を前駆体とする非酸化物合成
無機化合物や有機金属化合物を前駆体(プレセラミック)として,これを熱分解して非酸化物セラミックスを得る前駆体法は,前駆体が溶媒に可溶か低温で溶融可能であれば,ファイバーやコーティングなどの形状を持ったセラミックスの作製に応用可能である.私たちは,AlN前駆体であるカゴ型分子の熱分解過程やカゴ型分子と環状分子を組み合わせた新しいタイプの前駆体の合成と熱分解を中心に検討を行なっている.
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金属アルコキシドの化学修飾とそのゾル-ゲル法への応用
ゾル-ゲル法は酸化物セラミックスや無機-有機ハイブリッド材料の合成手法として広く用いられているが,反応性の高い金属アルコキシドに対しては,化学修飾により加水分解過程を制御する必要がある.そこで私たちは,カテコールによる遷移金属アルコキシドの化学修飾について検討している.また,金属アルコキシドからのペロブスカイト型酸化物の合成に関して,前駆体の構造とセラミックス化過程に関する検討を行なっている.
代表論文